成功する経営者やエグゼクティブ層などは、限られた時間を有効活用しています。時間を作りだすには、日々の作業フローを見直したり順序を入れ替えたりすることが必要です。
本記事では、時間の使い方がうまい人の特徴に加えて、実際のビジネスシーンで役立つテクニックをまとめました。
時間の使い方がうまい人はタスク化やルーティン化が得意
時間の使い方が上手なビジネスパーソンは、業務を可視化する「タスク化」や、作業フローを習慣化する「ルーティン化」を得意としています。効率的にタスクをこなすことができれば、自由に使える時間を増やすことができます。
優秀な経営者やエグゼクティブ層も、最初から豊富な人脈や多様な知識・スキルを持っていたわけではありません。多くの成功者はタスクの進め方を見直し、空いた時間を有効活用して交友関係を広げたり、自分磨きに励んだりしています。
どのようなタスクにも改善の余地はあり、多忙な現場責任者や事業開発リーダーなども、時間の使い方を見直すことが可能です。
時間の使い方がうまい人の6つの特徴
成功している経営者やエグゼクティブ層などを見ると、「時間をうまく使う」という共通点があります。具体的にどのような特徴があるのかを解説していきます。
1.すぐに決断する
何事も悩みすぎるとタイムロスが大きくなり、やるべきタスクをこなせなくなる可能性もあるため、時間をうまく使う人はすばやい決断を心がけています。
「経営の神様」と称される松下幸之助氏も、自身の著書である『道をひらく』で以下のような言葉を残しています。
60パーセントの見通しと確信ができたならば、その判断はおおむね妥当とみるべきであろう。そのあとは、勇気である。実行力である。
参考:PHP研究所「道をひらく | 松下幸之助 」
特に不確定要素の多いビジネスでは、100パーセントの確信を持てるケースは稀です。60パーセント程度の見通しで決断して早めに動くことができれば、仮に失敗しても取り返す時間を作れるでしょう。
2.業務をルーティン化する
前述の通り、時間の使い方がうまいビジネスパーソンはタスク化やルーティン化を得意としています。
実際、日々のタスクを習慣化し、処理のプロセスまでもルーティン化できれば、考えたり悩んだりする時間を減らせます。業務をこなすスピードも改善され、ほかのことに充てる時間も生みだせるでしょう。
例として、メールチェックを朝イチと昼食後、退勤前の3回行う、資料制作は午前中に行う、単純作業は夕方に行うなどがあり、それらを日々のカレンダーに入れておくことで習慣化することができるでしょう。その上で、メールチェックは時間がかかるものを優先して対応、すぐに返信できるものは後でまとめて対応、などのプロセスを決めておくことでスムーズに進められます。
3.自己分析ができている
時間の使い方がうまい人は、自身の能力を把握したうえでスケジュールを考えることができます。例えば、苦手なタスクには十分な時間を確保する一方で、得意な作業は短時間でこなす計画を立てるような方法です。
スケジュールを立てても、能力次第ではその通りにタスクをこなせるとは限りません。どのような人にも得意分野と苦手分野があるもので、自分の能力に合わせて時間の割り振りを最適化する必要があるでしょう。
その前段階として、まずは自己分析をすることが重要です。SWOT分析やマインドマップなどのフレームワークや、就活・転職サイトの診断サービスなどを活用しながら、自身の得意分野・苦手分野を洗い出してみてください。
4.すきま時間を無駄にしない
すきま時間を無駄にしないことも、時間の使い方がうまい人に見られる特徴です。出勤から退勤までの間だけでなく、プライベートの時間を過ごしている最中にも、多くのすきま時間があります。
<すきま時間の例>
・起床から出勤するまでの時間
・移動時間
・仕事の休憩時間
・取引先からの連絡を待っている時間
・待ち合わせでの待ち時間
・就寝前の時間 など
すきま時間の使い方は人それぞれですが、分かりやすい例としてメールの返信や勉強などの自己研鑽があります。また、ソフトバンク創業者である孫正義氏には、1日15分の時間を確保して毎日発明をしたというエピソードがあります。
5.順序やプロセスをイメージしている
時間を効率的に使う人は、タスクの順序やプロセスを明確にイメージしています。行動を始める前からイメージしておくことで、複雑な作業でもこなすことに集中できるため、効率的にタスクを進められます。
順序やプロセスのイメージは、前述の「2.業務をルーティン化する」にもつながるポイントです。また、タスクの優先順位がつけやすくなり、スケジューリングの精度や質も向上するでしょう。
6.お金で“時間を買う”
成功した経営者やエグゼクティブ層などは、状況によって、お金をかけて“時間を買う”ことを惜しみません。具体的にどのような方法があるのか、例をいくつか紹介しましょう。
- タクシーや新幹線など移動時間を抑えられる交通機関を利用
- 食事、食品、日用品などをインターネットで購入
- 自動掃除機や電気調理器などの便利家電を購入
- 家事代行を利用
利便性の高いものに投資して時間を生みだすことで、また別のことに時間を使えるようになります。
時間をうまく使う7つのテクニック
時間をうまく使うためには、心構えに加えて日々の行動自体を変えることが重要です。例えば、新しいプロセスやツールを導入することで、日々の時間効率が大幅に改善されるかもしれません。
ここからは、時間をうまく使う実践的なテクニックを紹介します。
1.タスクの優先順位からスケジューリングをする
前項で挙げた「タスクの順序やプロセス」の具体的な進め方として、まずは、日常的に発生するタスクをすべて洗い出し、優先順位を決めるところから始めましょう。
タスクを可視化するだけでも効果はありますが、「緊急性高・緊急性低」「重要性高・重要性低」などのカテゴリーに分けて優先順位をつけることで、明確なスケジュールを立てやすくなります。
タスクの優先順位を決めたら、次は「短期・中期・長期」に分けてスケジュールを立ててみてください。例えば、「本日中に○○を終わらせる」「今週中に△△を決める」のようにスケジュールを細分化すると、何から取り組むべきかがより明確になります。
2.タスクをブロック化する
タスクのブロック化(グループ化)とは、似たような流れで処理できる業務や、一連の動きでこなせる作業をまとめることです。例えば、「問い合わせメールへの返信」と「顧客データの追加」は一連の動きでこなせる内容のため、同じブロックに組み込みます。
各ブロックのタスクをまとめたら、効率的な作業フローを考えてみましょう。前述「1.タスクの優先順位からスケジューリングをする」でも解説したように、具体的な順序やプロセスまでイメージすることで、複雑なタスクにも取り組みやすくなります。
ほかにも同じブロックに組み込めるタスクとして、「市場データの収集」と「競合分析」や、「顧客面談のアプローチ」と「顧客データ管理」などがあります。
3.他人をうまく頼る
自分だけで進めることに限界を感じたら、同僚や上司などの他人を頼りましょう。普段から信頼関係を築いておけば、緊急性が高いようなタスクでも任せられる可能性があります。
ただし、面倒な業務を押しつけるような頼り方は望ましくありません。相手が社内の人間でも、本来任せる必要がないタスクを依頼しては自身の信用を失うことにつながってしまいます。丁寧にコミュニケーションを取りながら依頼するタスクの内容をを決めることが重要です。
なお、コストを費やせる場合は外注や業務委託なども選択肢になるでしょう。
4.アシスタント(秘書)を雇う
コストを確保できる場合は、新たにアシスタント(秘書)を雇う選択肢もあります。本人のスキルにもよりますが、一般的なアシスタントはスケジュール管理や出張手配、顧客データ管理や資料の作成などを代行してくれます。
日々の雑務を任せることができれば、その空いた時間をほかのことに有効活用できます。アシスタントの能力次第では、自身よりも質の高い作業をしてくれるかもしれません。
アシスタントの業務効率が上げれば、アシストを受ける側の時間効率も上がります。経営者やエグゼクティブ層のアシスタントといえば秘書ですが、株式会社シーエーシーでは秘書業務を多面的にサポートする『秘書室管理システム Olive(オリーブ)』を提供しています。
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5.複数のタスクを同時に行う
タスクをこなしているときに余力がある場合は、同時に複数のタスクを進めることも検討しましょう。例えば、会議用と商談用の資料を同時に作成する、単純作業をしているときにオーディオブックで勉強するなどの方法です。
ただし、種類が全く異なるタスクを組み合わせると、集中力が切れてしまうこともあります。まずは同じブロックで同時進行できるタスクがないかを探し、見つからない場合は関連性の高いタスクを組み合わせましょう。
6.時短につながるアプリを取り入れる
スケジュールやタスクを管理するものなど、現在ではビジネスをサポートする多様なアプリが存在しています。時間の有効活用や時短につながるアプリを活用すれば、一つひとつの作業を効率化できるかもしれません。
実際にどのようなアプリがあるのか、以下で例を紹介します。
- 撮影した画像から名刺の情報をデータ化するアプリ
- ファイルのやり取りができるチャットアプリ
- 手書き文字を検索できるアプリ
- 情報収集を助けるニュース系のアプリ
- アイデア出しやデータ分析に役立つ生成AI など
業種や職種によって活用できるアプリも変わるため、日々のタスクをイメージしながら役に立つものを探しましょう。
7.規則正しい生活を習慣化する
早寝早起きなどの規則正しい生活を送ると、時間を固定したスケジュールを立てやすくなります。また、オン・オフの切り替えもしやすく、同じ時間でも集中して作業することができるでしょう。
早寝早起き以外では、昼食や夕食の時間を固定したり、決まった時間に適度な運動をしたりする方法があります。
すべての作業フローを見直して最適化しよう
時間の使い方がうまい人は、仕事の進め方や向き合い方を日々見直して改善しています。プロセスを最適化できれば、作業時間が減ると同時に空いた時間も生じるため、さらなるスキルアップやキャリアアップを目指せるようになります。
本記事を参考にしながら、一つひとつ、作業フローを見直してみてはいかがでしょうか。
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